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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    毛むくじゃらに追われたひな鳥(世界の昔話より)

    生まれたばかりのひな鳥が、ピヨピヨと鳴きながら歩いていました。

     

    ひな鳥が一羽で歩いているなんて、とても危ないことです。

     

    ピヨピヨ歩いていると、目の前に、

    なんだか毛むくじゃらなものが見えました。

     

    ひな鳥は顔を上げていくと、

    ずっと毛むくじゃらが上の方へと続いています。

     

    そして、行き着いた先には顔がありました。

     

    「ニャー!」

     

    その顔は、恐ろしい顔が声を上げました。

     

    (『ニャー』と鳴く大きな毛むくじゃらにあったら、

     すぐに逃げるのよ)

     

    と、母鳥に言われたことをひな鳥は思いだしました。

     

    (やばい! 逃げなきゃ!)

     

    ひな鳥は一目散に逃げだしました。

     

    すると、毛むくじゃらも追いかけてきます。

     

    ひな鳥はまだ上手く飛べません、バタバタと羽を激しく動かして

    少し飛んで、ちょこちょこ走り、またバタバタと羽を動かして

    少し飛んではちょこちょこ走る、をくりかえしながら必死に

    逃げました。

     

    毛むくじゃらも逃がしてなるものかと、前足で捕まえようとしますが、

    ひな鳥は、ちょこまかちょこまかと巧みなステップで逃げるので、

    捕まえることができません。

     

    必死に逃げているひな鳥の行く手には壁があり、

    そこには小さな穴が開いていました。

     

    ひな鳥がここへやって来たときに通った穴です。

     

    壁の向うにはひな鳥の家があり、母鳥もいます。

     

    あの穴の大きさなら、毛むくじゃらは通れないはずです。

     

    ひな鳥は羽をバタバタさせて、少し飛んではちょこちょこ

    穴に向かって走りました。

     

    ひな鳥の頭の上を、毛むくじゃらの足が、

    “ビュンビュン”と音を立てて、何回も何回もかすめました。

     

    ひな鳥は何も考えずに、ただ、穴に向かって一目散に走りました。

     

    穴はすぐそこです。

     

    ひな鳥は最後の力を振り絞って壁の穴に飛び込みました。

     

    穴をすり抜けたのと同時にひな鳥は、なにか激しい衝撃を背中に受け、

    前のめりに転んでしまいました。

     

    どうやら毛むくじゃらの足が穴の中に入って来て、

    ひな鳥にあたったようでした。

     

    (いててててて)

     

    ひな鳥は痛みを感じながら立ちあがり、後ろを見ました。

     

    先程通った壁の穴から、毛むくじゃらの足だけが出ていて、

    右へ左へと激しく動いていました。

     

    どうやら毛むくじゃらは、足しか穴に入れられないようです。

     

    「ふーぅ」

     

    ひな鳥は、とりあえず逃げ切れて安心したように息をつきました。

     

    すると、

     

    「もう、どこへ行っていたの!!」

     

    という母鳥の声が聞こえてきました。

     

    「姿が見えないから、心配したでしょ!!」

     

    もう、カンカンに怒っているようでした。

     

    ひな鳥は、謝るよりも先に、

     

    「ママ! 毛むくじゃらにあったよ!」

     

    というと、母鳥は全身の羽を逆立たせて、

     

    「なんですって!」

     

    と、大きな声を上げました。

     

    しかし、ハッとした顔になって、すぐに身をかがめて、

    小さな声でひな鳥に言いました。

     

    「それで、毛むくじゃらはどこへ行ったの?」

     

    ひな鳥は穴の方を指さして、

     

    「あそこ」

     

    と言いましたが、もうそこには毛むくじゃらの足は

    ありませんでした。

     

    「アレ? いない」

     

    不思議がっているひな鳥に、母鳥は小声で言いました。

     

    「あの穴まで来ていたってことは、ぐるりと回り道をして、

     すぐにこちら側にやってくるわ、こうしちゃいられないわよ」

     

    と言ったあと「こちらに来なさい」と母鳥が言うので、

    ひな鳥はついて行きました。

     

    少し歩くと、母鳥は背の高い大きな赤いツボの前で立ち止まりました。

     

    そしてツボを見上げながら言いました。

     

    「ここに入るわよ」

     

    ひな鳥は背の高いツボを見ながら、

     

    (こんなに高く、飛べないよ)

     

    と思い、無理だよ、と言おうとしたとき、

    首の辺りを母鳥に噛みつかれました。

     

    それは母鳥が高いところへ連れてってくれるときにしてくれることと

    同じで、ひな鳥は慣れていました。

     

    ひな鳥を加えた母鳥は大きく羽ばたくと、背の高いツボの入口を目指し、

    高く飛びあがりました。

     

    ひな鳥は、今まで飛んだこともない高さにいるのが珍しくて、

    ウキウキしました。と、同時に、母鳥の力強さに、

    とても安心しました。

     

    母鳥はツボの頂上まで行くと、すぐに中に入り、

    ツボの底に着地しました。

     

    “ゼーェ、ゼーェ”

     

    と、母鳥は羽を上下に揺らしながら苦しそうに息をしていました。

     

    「とにかく、ここでしばらく、静かに、していましょう」

     

    母鳥は苦しそうに途切れ途切れにそう言いました。

     

    それから母鳥とひな鳥はお互いの体を寄せ合いました。

     

    しばらくすると、何やら、足音のようなものが聞えてきます。

     

    ひな鳥は怖くなり、母鳥にしがみつくように体を押し付けました。

     

    母鳥も小刻みに震えているようでした。

     

    ひな鳥が耳を澄ませてみると、毛むくじゃららしき足音は、

    近づいて来たかと思うと遠くなり、また近づいて来ては、

    反対側に行くといった具合に聞えました。

     

    ひな鳥は、ブルブル震えていましたが、極度の緊張からか、

    こんな時に、なんだか“くしゃみ”がしたくなってきました。

     

    ひな鳥は小声で母鳥に言いました。

     

    「ねぇママ、くしゃみしちゃダメかな?」

     

    母鳥は、とんでもない! と言った表情で首を振りました。

     

    ひな鳥はくしゃみを我慢しようと思いました。

     

    しばらく毛むくじゃらの足音を耳を澄まして聞いてみましたが、

    やっぱり、くしゃみがしたくてたまりません。

     

    「ねぇママ、一回だけ、くしゃみしていい?」

     

    母鳥は首を振りながら小さな声で、

     

    「ダメよ、くしゃみなんてしたら、毛むくじゃらに見つかっちゃうわ」

     

    と、言いました。

     

    ひな鳥は、仕方ないなぁ、と思い、もう一回、

    くしゃみを我慢しようと思いました。

     

    くしゃみから気をそらそうと、毛むくじゃらの足音を聞いてみます。

     

    (だいぶ向こう側を歩いているようだな)

     

    ひな鳥はそう思いました。

     

    (それにしても、くしゃみがでそうだな……)

     

    毛むくじゃらの足音が近づいてくるのが分かりました。

     

    (マズイ、こっちに近づいてきてる!

     でも、くしゃみが!)

     

    ひな鳥は必死にくしゃみを我慢しました。

     

    (ダメだ、くしゃみしちゃダメだ)

     

    ひな鳥は両方の羽で鼻を押えました。

     

    (ダメ、ダメ、今くしゃみしたら見つかっちゃう)

     

    足音は、どんどん近づいてきます。

     

    (あぁーぁ、毛むくじゃらが……

     あぁーぁ、くしゃみが……、くしゃみが……)

     

    足音はまさに、ツボのすぐ向う側でとまりました。

     

    (あー、ダメだー!)

     

    「ハぁックショーーーーーーーーーーーンンンンン!!!!!!」

     

    我慢して我慢した挙句に出たひな鳥のくしゃみは、

    それはそれは大きなものでした。

     

    そのくしゃみの衝撃で、なんと、ツボが粉々に割れてしまいました。

     

    「ギニャー」

     

    という悲痛な叫びのような声が聞こえました。

     

    飛び散ったツボの向うに、一目散にその部屋から逃げだしていく

    毛むくじゃらの後ろ姿が見えました。

     

    ひな鳥は、なにが起こったか良く分かりませんでしたが、

    とりあえず今は、くしゃみが出てスッキリとした気分です。

     

    ふと、横を見ると、母鳥が倒れていることに気づきました。

     

    「ママ! ママ!」

     

    ひな鳥が叫ぶと母鳥は目を覚まして、

     

    「もう、大声を出さないで、クラクラする」

     

    と、頭を振りました。

     

    「ママ、毛むくじゃら、逃げて行ったよ!」

     

    ひな鳥がそう言うと母鳥はすぐに我に返り、辺りを見渡して、

     

    「本当だ、いなくなってるね、よかった〜」

     

    と胸をなで下ろしました。

     

    そしてひな鳥の顔を見ながら、

     

    「あなたの大きなくしゃみに助けられたのね」

     

    といって、ひな鳥を抱きしめました。

     

    ひな鳥は、なんだか良く分からなかったけど、

    母鳥の羽に包まれているのが気持ちよくて、

    だんだんと、眠りの世界に入って行きました。

     

     

    おしまい。

     

     

    JUGEMテーマ:創作童話

     

     

     

    〜この物語について〜

     

    もとのお話はコチラ

    福娘童話集(ひな鳥とネコ)

    http://hukumusume.com/douwa/pc/world/04/05.htm

     

     

     

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